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国旗は、国籍識別用の目的もあるが、それ以上に国のNと日本エアシステムの合併で誕生した新JALグループの新塗装誇りそのものを象徴している。
その誇りが国旗の掲揚、あるいは胴体や尾翼に国旗を描くことに現れている。
 NとJAs(日本エアシステム)が合併して誕生した、Nシステム(JALグループ)の、日の丸をイメージした垂直尾翼の新塗装もそうだし、トリコロール(三色旗)をデザインしたエールーフランス、カエデの葉を描いたエアーカナダ、六つの輪を描いたギリシヤのオリンピック航空、レバノン杉のレバノン中東航空、緑の地にクローバーを描いたアイルランドのエアーリンガス、水色十字のフィンエア、赤地に白十字のスイス航空などがその代表だ。
スイス航空は、あの9・11以降、航空不況の犠牲になって倒産してしまったが、新生のスイスーインターナショナルーエアラインズにその伝統が引き継がれている。
国旗のイメージを、うまくシンボライズすることで、文化的にもレベルの高いcI化に成功しているといえるだろう。
機体の塗装やロゴマークに代表される、エアラインのCI、そこから伝わる企業イメージ、あるいはサービスのイメージ、それはまた空の旅への誘いそのものでもある。
 エアラインとロゴマーク 合併によるNグループの誕生が伝えられたとき、いくつかのメディアからコメントを求められた。
 合併するにあたって、新しいロゴや機体の新塗装が導入されることになり、長年親しまれた鶴丸のマークが消えた。
CI化によってロゴマークや塗装を一新するのは、一九九〇年代から世界的な趨勢あるいは流行になっていたから(ニュー・ミレニアムを迎えるに当たって、各社とも新しいイメージを打ち出したかったようだ)、特に感慨はなかったが、Nのあのロゴは日本の家紋の伝統にのっとり、優美な長寿の霊鳥である鶴をデザインしたもの(日の丸とのダブルイメージでもある)で、オリジナリティのある良いロゴマークだったとは思う。
 古今東西のエアラインのロゴマークを眺めてみると、先に挙げたルフトハンザをはじめ、鳥や翼を様式化したデザインが目立つ。
スピードバードが描かれたBOAC当時の英国航空の塗装 アメリカでは、国の象徴である鷲がアメリカン航空(現在も様式化したイーグル)やコンチネンタル航空、イースタン航空で使われている。
ほかに鳥の意匠をロゴマークに使っているのは、アルゼンチン航空、エアージャマイカ、スリランカのエアーランカ、マカオ航空、モーリシャス航空、パプアーニューギュアのエアーニューギニ、エアーセイシェル、カメルーン航空、キプロス航空、ガルーダーインドネシア航空、ペルシャ湾岸四か国(バーレーン、アブダビ、カタール、オマーン)が共同出資した航空会社のガルフーエア、クウェート航空、メキシカーナ航空、シンガポール航空、スロバキア航空、シリア航空、エクアドルのTAME航空、ルーマニアのクロム航空など。
ロシアや中国のエアラインにも幾つかある。
鳥のデザインといえば、英国航空の「スピードバード」がまず思い浮かぶ。
鳥をデザイン化した中では最高の意匠だろう。
一九三〇年代のインペリアル航空時代から使われ、BOAC、そして英国航空に受け継がれた、息の長いロゴマークだ。
鋭角的な線を使って鳥が飛ぶ姿をデザイン化したもので、ザアーリー・エリオットという人物のデザインという。
 広く親しまれたこの伝統のスピードバードも、一九八四年のCI一新で姿を消した。
アメリカのデザインーコンサルタント会社ランダーが、「スピードウイング」と名づけた矢印をモデファイした、赤いストライプに変えてしまったのだ(これは英国で大論争を巻き起こした)。
 さらに英国航空は一九九七年に、より大胆なCI戦略を打ち出した。
デザインーコンサルタント会社ニューエル&ソレル社のアイディアを採用したのだ。
それは「スピードマーク」と命名されてはいたが、風に扉く赤いリボン。
しかもそれまで王室をイメージした盾形の紋章と、デザイン化した英国旗「ユニオンージヤツク」(の一部)で飾られていた垂直尾翼の塗装を、アーティストのカンバスにしてしまった。
これまた大論争の的となったが、話し出すと長くなるので、この顛末は次章でお話しするつもりだ。
ひとつのエアライン(国営航空とはいえ)のロゴマークと塗装の変更が、国民的大議論の対象になったという点でも注目に値する。
 翼や羽根もエアラインらしいモチーフで、エールーフランスの優雅な羽根を持つシーホース(海馬、馬頭魚尾の怪獣で海神の車を引く)が代表的なところ。
もう七〇年以上も使われている。
南アフリカ航空は、一九九七年まで翼のあるカモシカを使っていた。
イタリアのヴォラーレ航空は羽根を持つライオン。
今はなきブリティッシューカレドニアン航空も、羽根のあるライオンだった。
Tのペガサス航空は、その名の通りペガサス(天馬)がロゴマークだ。
フランスのエールージェットもペガサス。
 オーストラリアのカンタス航空は、羽根のあるカンガルーがシンボルだったが、一九八四年にリファインされ羽根がなくなってしまった。
羽根のあるカンガルーはオーストラリアのデザイナー、ガートーセルハイムがデザインしたもので、四七年にロッキードーコンステレーションが初就航したときに登場したものだった。
 アルフレッドーヒチコック監督の映画『めまい』『北北西に進路を取れ』のタイトルーデザインでも知られるソールーバスがデザインした、Y航空(9・11テロの余波で倒産してしまったが)のuの文字、緑と赤で鮮やかにAをデザインしたA航空、デルタ地帯をイメージした三角形の組み合わせのD航空、線画の地球にPANAMの文字を配した今はなきパンアメリカン航空などは、いつまでも記憶に残る優れたロゴ、・デザインの代表といえるだろう。
これらのロゴマークは、明らかにブランドカを感じさせる。
このテーマは話題が尽きない。
エアラインを特徴付けるロゴマーク、ロゴタイプ、そしてCIを決定づける機体の塗装やインテリアの愉しみについては、次章でくわしくお話ししよう。
ジェット機の国際線 空の旅の愉しみのひとつに機種との出会いがある。
さまざまなエアラインの、さまざまな機種に乗ることだ。
 世界の旅客機、特にジェット旅客機をめぐる現況は、世界に先駆け九大型機の開発と豊富なバリエーションで、ボーイング社製が今のところ一歩リードしている。
とは言え、最近の新規発注では、急激なエアバス社の追い上げにより、両社の勢力争いはほぼ均衡している。
従って、国際線、国内線ともにメインルートの機材はボーイングかエアバスに限定されてしまう。



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